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新卒入社3年目で主任に抜擢。
100年以上手作業で加工していた職人技を機械加工で表現

森本 考紀 さん 2020年入社 生産技術部 生産技術課 主任

interview 01

田中医科器械製作所で働く理由

入社年数に関係なく、
裁量権を持たせてもらえる環境

私は高等専門学校の時にロボコン製作に携わったのですが、その時にモノを作り、動かし、検証し、改良するという製造の流れを面白いと感じました。将来はモノ作りの仕事に就きたいと思い、大学卒業後に田中医科器械製作所に入社しました。当社を選んだ理由は「手加工」という職人技が生きているところに魅力を感じたからです。
実際に働きびっくりしたことは、社歴に関係なく自ら動けば裁量のある仕事を任せてもらえるところです。例えば、一般的な企業で生産技術系の業務を始めた場合、入社して暫くは機械を扱う業務と座学などを経験すると思うのですが、当社の場合は入社3年目の私でも、主任という立場で機械加工領域内での様々な決定権を持たせてもらっています。歴史があるからこそ、若手が活躍しやすい環境を整えていこうとしている職場だと思っています。

interview 02

現在のシゴト

約100年、手作業で加工していた職人技を
機械でどこまで表現できるか

お客様からご注文いただいた手術器械の、工程作成、工程の振り分け、機械加工などを主に担当しています。特に私が注力しているのは、機械加工と手加工の作業工程の振り分け部分。実は「機械加工を取り入れ医療機器を製作する」ということ自体、弊社の長い歴史の中でもごく最近の事といえます。それゆえ、機械と手加工の境目が曖昧なところが数多く存在しているのです。それらの境目を日々検討し、機械加工をフルに使用した手術器具製造にチャレンジしています。
今まで職人さんの熟練した技で作ってきた製品を、機械で再現することは至難の業ではあります。しかし、手加工が必要不可欠となるギリギリのラインまで機械加工で攻めることにより、納期の短縮、一定の品質を保つという大きなメリットにもつながると思っています。

interview 03

シゴトの難しさ・やりがい

機械加工を増やすことだけが解決策ではない
お客様に合わせた最適解を見つけ出す

当社は主に手術器械を製作しているので、人体に傷をつけない、開創部からの入りをよくするなどの理由で一見して気づかないような僅かな曲がりや曲面があります。その重要な意味を持つ細かい角度やうねりなどを機械加工で表現していくことに難しさを感じます。
そして、機械加工を単純に長くすることが最善策ではないというところも、この仕事の難しさのひとつ。細かな削りを入れる時や曲面を作る際、手加工の場合はすぐに対応できるのですが、機械加工の場合は新しく材料を使ったり、機械のセッティングを変えたりしなければならず、逆に工数が増えてしまう可能性もあります。それら全て考慮し、最適解を見つけることは難易度が高いですが、だからこそ良い提案ができた時はやりがいを感じます。

interview 04

今後の目標

職人さんたちの技術に磨きをかけられるように
機械加工の精度をあげる

当社はオーダーメイド、セミオーダーで対応することが多いので、最小ロットが「1つ」かつ、学会発表用に持参したい、ほかの器機では対応ができないなどの理由で短納期になることもあります。緊急度の高い案件に対しても、常に柔軟に動き、余裕を持った現場を作ることが今の目標です。
いち機械オペレーターの目標としてより機械加工の精度を上げたい、というものもあります。現在は手加工が加わる製品も多いですが、一貫して機械加工のみで製作できるような「職人に絶対的に依存しない製品」というものも製作し、機械加工も手加工と同水準に評価してもらえるほどまで押し上げたいと思っています。
また、私たちが精度をあげることにより、職人さんたちが極めるべき技術や継承すべき能力がより専門的になり、一般には真似できないような田中医科の誇る大きな付加価値になると思っています。機械による加工技術を高めると同時に、会社本来が持つ強みをさらに強める存在にもなりたいです。

1日の働き方

interview
8:50
出社し、作業着に着替える。
9:00
生産技術部の朝礼。納品物のスケジュールなどを確認。
9:15
生産技術課の朝礼。機械の進捗状況などを確認。
9:30
作業工程の作成。
11:00
機械のセッティング。
12:00
お昼休憩。会社で発注しているお弁当を食べる。
13:00
機械を稼働し、製品を量産。
16:00
オーダーメイド製品の会議。案件や納期の確認。
17:00
工程管理・スケジュールの調整。
19:00
退社。